育てにくさを感じているご両親へ

育てにくさを感じていませんか?

じっとしていられない、ほかの子とうまく遊べない、日常生活の習慣が身につきにくい…。 このような手のかかる子どもは、ひょっとしたら「発達障害」かもしれません。
発達障害は、「脳の機能障害」です。
周囲の理解や協力があれば乗り越えることができるものですが、場合によっては「がんばれない子」「親のしつけがわるい」などと誤解されることがあります。

そんな時でも、その子に応じた適切な手助けをすることにより、本人も自信と幸せを感じ、お母さんお父さんも自信を取り戻して子育てすることができます。

「障害」という言葉に少し抵抗がある方もいらっしゃるかもしれません。
そんな方は、あなたのお子さんが発達障害であるかどうかの判断はさておき、どうすれば育てにくさが減り、幸せな子育てができるようになるか考えてみましょう。

発達障害であってもなくても、子どものことをよく理解し、そしてあなたご自身のこともよく理解できると、子育ても少しずつ変わっていくはずです。

困った行動には意味があるの?

たとえば友達を叩いてしまう、ふざけて走り回る、突然いなくなる。時には黙り込んで頑として動かなくなってしまうことも。
子どもたちの「困った行動」に、親はどうすればいいのでしょうか。

困った行動には、子どもからのメッセージが込められています。
発達障害がある子もそうでない子も、メッセージの意味は大きく分けて下の4つです。

  • 注目
    見て見て!
    私をかまって~

  • 要求
    こうしたい!
    あれが欲しい!

  • 逃避
    ここにいたくない!
    嫌だ!

  • 感覚
    この感触好き!
    気持ちいい!
「注目」「要求」「逃避」「感覚」、この4つの意味を上手に伝えられずに子ども自身が困っているのです。
おもちゃを使いたい時に「かして」と言えずにお友だちをかんでしまったのかもしれません。 まずは、困った行動の裏にある意味を考え、その子にあったコミュニケーションを教えていくことが必要です。
「困った子」は、「困っている子」だと思ってください。

どんなふうにほめられるのが好き?

困った行動を起こしたとき、叱られて気づくことができる子もいますが、逆に行動がひどくなることやパニックになってしまう子もいます。日ごろから叱られることが多いと「どうせ僕なんて」と自信を失ってしまうこともあります。
そんなときには、困った行動には見て見ぬふりをして、よい行動に誘いながら、少しでもできるようになるのを待って、そして褒める、という方法がよいと思います。

「あなたのことは大好きだけど、その行動は直してほしい」というメッセージをこちらからも冷静に送り続けることが大切です。 最初はなかなか難しいのですが、ほめて、よい行動を増やすことで、困った行動を減らしていくことができます。 また、ほめられれば誰もがうれしいものですが、ほめられ方の好みは人それぞれ。場合によっても違います。大げさにほめられたいのか、静かに認められたいのか。
そっと目を合わせてほほ笑む、体に触れるなど、「ちゃんと気づいてるよ」というサインをその子だけに送ることで満足する子もいます。どんなふうにほめられたいのか、子どもの反応を観察してみましょう。

自分を大切にする気持ちを育てるには?
発達障害など、支援が必要な子どもたちにとって忘れてはならないのは、彼らの才能を見出し、得意な部分を伸ばすことです。

好きなことや得意なことで認められ、人の役に立つことは、自分を大切にする気持ちを育て、将来の自立につながります。発達障害ではなくても、子どもでも大人でも、それは同じです。

まずはご自身の素敵なところを探してみましょう! 芸術やスポーツ、語学にセンスを発揮する人もいます。数学や歴史など特定の分野が大好きな人もいます。
友だちが多い、いくつものことを同時にできる、ひとつのことをとことん追求する、人一倍強い感受性、やさしさ、正直さ、几帳面さなどを持っているかもしれません。
一人ひとりの素敵なところや資質を発見し、一緒に感動することは、「自分を理解し、自分と異なる人間を理解する」こと。
まずはあなたご自身と、そしてあなたのご家族について素敵なところを探してみてください。
みなさんと子どもたちの人生が、より深く豊かになっていくはずです。

気になることがあるときは…

検診や幼稚園、保育所などで気づかれることもありますが、子どもの発達で何か気になることや育てにくさを感じたら、身近な相談機関に早めに相談してみましょう。大変だと感じながら1人で抱え込み、我慢したり、不安なまま過ごしたりすることで受けるストレスは案外大きいものです。子育てについての支援は早いほど効果がありますし、早く支援を始めるほど、短期間で支援の必要がなくなることが多いのです。その子が困っていることは何か、自分を大切にする気持ちを育てるにはどうすればいいかがわからないときには、相談機関、支援員、カウンセラーなどと一緒に考えていきましょう。

主な相談機関

◆ 松戸市基幹相談支援センター
CoCo(ココ)
所在地 〒271-0094 千葉県松戸市上矢切 299-1
TEL 047-308-5028

◆ 松戸市こども発達センター
(相談診療部門)
所在地 〒270-2218 千葉県松戸市五香西 3-7-1
TEL 047-383-8111

◆ 千葉県発達障害者支援センター
CAS東葛飾
所在地 〒270-1151 千葉県我孫子市本町 3-1-2
TEL 04-7165-2515